PEOPLE  ムツゴロウさん 
ムツさんはかなりクレイジーな反面、東大理学部卒のエリートで、5カ国語堪能な獣医でもって医者の息子でいいとこのこなのだ。そして動物王国の王様だ。何種類もの顔をもっている。
昨年、ライオンに指を噛まれて切断してしまった。なんとも、、、
ムツゴロウさんが大好き!
ふつうだと動物好きな愉快な人という印象が1番多いとおもう。
でも私が思うムツゴロウさんは、あの小柄で人のいい仮面の下に、強靱な精神と肉体を隠しもつ、ごっつええ男なのだ。
例えるなら、実写版両津勘吉に近い。
著書の方でのムツゴロウさんと、テレビで見るムツゴロウさんってちょっと違う。辛口トークやシリアスな部分はテレビ受けしないのだろうか?あまりクローズアップされることがないように思う。

大好きだけど、ムツゴロウさんがもし私の家族だったらいやだ。
いつも心配でこっちの寿命が縮んでしまう。
他人だから純粋に尊敬して、大好きでいられるというものだ。
あの、はちゃめちゃ、めちゃくちゃっていうところがすごい。
犬や猫のウンチを食べたとか、そんなことではもう驚ろかない私である。実際はそれよりもすごいと思うからだ。雌犬とやったことがあると聞いても不思議でもなんでもない。ありえるなーと思える(もちろん、たとえですよ!あるわけない。)
普通の常識には当てはまらない人間だから、自分の常識を取り払えば、ムツゴロウワールドのハラハラどきどきにひきこまれてしまう。


 Review  『さよなら、どんべい』

ツゴロウさんが育てていた、どんべえというヒグマがいた。ムツさんがどんべえの背後に回った時に、どんべえがとっさに顔をガブっとやってしまったのだ。頬を貫通したキバはムツさんの奥歯の根本も削いでしまった。それでもムツさんは「いいんだよ、どんべい。僕が無神経に背後に回ったのがいけないんだから。」とどんべいをかばい、傷口の手当てもどんべいが気を病むからと断っているのだ。
このどんべいが発情を迎えた時にもムツさんはその上にまたがり、おっぱいに手をのばしてこちょこちょとやって自分がオスクマでないことを、どんべいに詫びるのだ。どんべいの秘部に口を持っていき、鉄の味がすると書いてあった。
もし映画でこのシーンを撮影するとしたら、モザイクはかけるのだろうか?

ライマックスシ−ンは、どんべいが成長し、親であるムツさんと対決する場面だ。
自然界で子熊は実の親と噛み合いをして子別れの儀式をすませるという。
でもムツさんは人間だから、身長が2倍で体重が4倍のどんべいが、本気をだせばひとひねりで死ぬ。そのどんべいがムツさんに向かって反抗したのだ。歯を剥いて目に敵意を燃やし毛を逆だて、狂ったように野獣のような雄たけびをあげる。その姿を前にして、ムツさんの心臓が凍り付く。
ここからの行動が常人と違う。ファイティングポーズをとって、昇龍拳をどんべえの頬にお見舞いするのだ。死を覚悟した瞬間らしい。
自然界ではこんな時、ちょっとでも怯むとやられるのだ。結局、二人の深い絆がどんべえの理性を呼び覚まし、大事には至らなかったのだが、この後もムツさんはパンチとフックで追い打ちをかけるのだ。現場はここではいいあらわせないほどすさまじいものだったのだろうと予想される。ムツさんには珍しくシリアスなエッセイなのだが、ごまかしのない真実が映し出されているとおもう。

角川書店
ISBN: 4-04-131911-0
「どんべえが死んだ、死んじまった、死んじゃった・・・」 何百万べんとなくムツゴロウ氏の胸のなかで繰り返しつぶやいた言葉が、やっと声となって、吐き出した。 最愛のヒグマ”どんべえ”を喪って、悲しみのどん底にあった著者が語りかける、心あたたまる動物物語。


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